歯磨き粉以外のフッ化物の利用法(フッ化物歯面塗布とフッ化物洗口)|前橋リリカ歯科ブログ

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歯磨き粉以外のフッ化物の利用法(フッ化物歯面塗布とフッ化物洗口) 

歯磨き粉以外のフッ化物の利用法(フッ化物歯面塗布とフッ化物洗口)|前橋リリカ歯科ブログ

歯磨き粉以外のフッ化物の利用法(フッ化物歯面塗布とフッ化物洗口)

<2024年04月12日>  ✑ むし歯・根の治療  ✑ 予防歯科

前回はフッ化物入りの歯磨き粉の重要性についてお伝えしました。

 

今回は他のフッ化物の利用法について説明します。

 

この記事で伝えたいことは、以下の3つです。

 

①むし歯予防にはフッ化物歯面塗布やフッ化物洗口を検討するべき

6歳未満の子どもには歯医者さんでのフッ化物歯面塗布の方がおすすめ

③矯正治療中の人、歯ぐきがやせてきてしまった人にはフッ化物洗口がおすすめ

 

フッ化物歯面塗布やフッ化物洗口がどのような人に必要かというと

 

1)みんなに行うべきという意見と、2)リスクが高い人に使うとよい

 

と言う意見がありますが、少なくともむし歯のリスクがある人には行ったほうが望ましいです。

 

「むし歯のリスク」には、3)過去のむし歯の経験,深い歯の溝,歯の白い白濁(初期むし歯)4)すべての乳歯・永久歯の生えた直後が該当するため

                                                      

・むし歯を治療した経験がある人

歯が生えてから永久歯が成熟するまでの人(~18歳)

・初期むし歯(歯の白い白濁)のある人

 

が検討するべきでしょう。

 

大人になってむし歯やむし歯治療の跡が一切ない人がいます。その人まで無理に行う必要はないでしょう。

4)ただ、その割合は5%ほどです。

 

むし歯予防に効果的な2つの方法ですが、どちらの方法にもメリットとデメリットがあります。

 

【フッ化物歯面塗布】

 

いわゆる「歯医者さんで塗るフッ素」です。高濃度のフッ化物を、歯に塗ります。

 

メリットは

 

5むし歯予防の効果は28%でフッ化物洗口(26%)より高い

・むし歯のチェックや歯ブラシ指導も同時に行える

・フッ化物洗口が非推奨の6歳未満でも行うことができる。

 

があり、推奨頻度は年に24回とされています。長期休暇ごと(夏休み、冬休み、春休み)の受診をお勧めします。

 

【フッ化物洗口】

 

「ぶくぶくうがいするフッ素」です。下のような薬液を口に含んで吐き出します。

 

   

フッ化物洗口は以下のような人に向いています。

 

・歯医者さんに行く時間がない人

・矯正装置をつけている人

・歯ぐきがやせてきてしまった人

 

矯正治療中の人や歯ぐきがやせてきてしまった人は、塗るタイプだと薬剤が届きにくいため、フッ化物洗口がおすすめです(そもそもむし歯のリスクが非常に高くなるので、フッ化物洗口とフッ化物歯面塗布を併用も検討してみてください)

 

洗口剤は当院でも販売予定ですが、ドラッグストアや通販でも購入できます。

 

11,000円程度です。使いきる終わるのに12か月なので、1年で10,000円くらいはかかってしまいますが、忙しくて歯医者さんに通えない人には向いているでしょう。

 

ただ誤飲のリスクがあるため、海外では6歳未満に非推奨です(日本では4歳から行っている地域もあります)

 

ちなみに、なぜ2つの方法が混在しているかというと、フッ化物歯面塗布は「個人へのケア」として、フッ化物洗口は学校などの「集団へのケア」として行われてきたのですが、最近になって、フッ化物洗口の薬剤が個人でも購入できるようになったという背景があります。

 

尚、どちらの方法もその後のうがいは控え、30分間は飲食をしないのが望ましいです。

どの治療でも、予防に勝ることはほとんどないと思います。予防にしっかり投資ができるとよいですね。

 

次回はフッ化物の安全性についてです。

 

※歯科医療従事者の皆様へ

文献の解釈等不備がありましたら、yu.yoshie@gmail.comまでご指摘いただけますと幸いです。

 

1)歯界展望202003月号:フッ化物応用をめぐる誤解を解く

2)カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育 伊藤直人

3)歯界展望201311月号:カリオロジーの新しい潮流  

4)令和4年歯科疾患実態調査」の結果(概要)https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf

5)歯界展望201405月号:フッ化物の小児齪蝕予防効果に関する最新の科学的根拠