歯周病
歯周病
歯についた歯垢や歯石に含まれる細菌が、歯を支えている骨を溶かす病気で、痛みのないまま進行していくことが多いです。
歯垢や歯石を放置し進行すると、歯ぐきの腫れや出血、痛みが生じ、治療しないと歯がぐらぐらして、最終的には抜歯が必要になります。日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病です。
お口の中の検査をしてから歯についた歯垢や歯石を除去します。同時に、汚れがつかないように歯磨きの指導も行います。また、歯ぐきの中までついてしまった歯石は、麻酔を使用して除去することもあります。適切に治療すれば歯周病の進行を抑えることが可能です。
※歯石を取ると歯ぐきが引き締まるため、結果として「歯がしみる」「歯の根が露出する(歯ぐきが下がったように感じる)」という症状が起こることがあります。
※歯周病学会の決めた正しいやり方で行う必要があるため、継続的な治療が必要です。
歯垢や歯石に含まれる細菌が毒素を出し、骨を溶かします。進行すると歯の揺れが強くなり、抜歯せざるを得ない状態になります。歯周病で1度溶けてしまった骨を元の状態に戻すことは難しくなります。
歯周病が進行すると認知症や動脈硬化、肺炎、低体重児出産、肥満のリスクが上がったり、糖尿病を悪化させたりするリスクが高くなるという多くの研究結果が出ています。
定期的に歯周治療を行う人は20~30年の間に歯を失う本数が0.4~3.6本だったという報告があります。これは日本人が40~70歳の30年間に歯を失う本数の平均(10.5本)と比べてとても低いです。
歯1本の価値は約150万円と言われており、定期的な歯周治療を行うことで、約1,000万円の節約ができることになります。また、若い時期からしっかりとメインテナンスをしている人ほど、歯を失わない傾向にあります。
治療が終わり、良い状態を維持していくためにも定期的にメインテナンスに来院していただくことが大切です。進行した歯周治療が終わった方は、歯科医師や歯科衛生士と相談しながら来院の間隔を決めていくのが理想です。
歯周治療を行っても深い歯周ポケット(細菌のすみか)が残ってしまった場合に行う切り札的な治療です。麻酔を行い、メスで歯ぐきを切って、歯石を除去し、お手入れのし易い状態に整えたあと、糸で縫います。
※歯周外科を行うかどうかは患者さんとよく相談して行います。